コラム
2026/03/24

借金がいくらになったら弁護士に相談すべき?

法律の専門家があなたの疑問にお答えします


「いくらになったら相談していいのか」という疑問

「借金が〇〇万円を超えたら弁護士に相談すべき」

そんな基準があると思っていませんか?

実際には、相談の目安を「金額」だけで判断するのは簡単ではありません。100万円の借金でも生活が苦しくなっている方もいれば、500万円あっても収入や財産とのバランスによって対応できるケースもあります。

それよりも大切なのは、今のあなたの状況です。

この記事では、「弁護士への相談を考えるべきサイン」と「早めに相談することのメリット」について、できるだけわかりやすくお伝えします。


相談を考えるべき状況のサイン

金額の多い少ないにかかわらず、以下のような状況に心当たりがある方は、一度ご相談を検討してください。

サイン① 返済のために別の借り入れをしている

「今月の返済に間に合わないから、別のところから借りる」

この状態が続くと、借入先が増え、返済の全体像が見えにくくなります。結果として、家計の立て直しが難しくなったり、後から選べる手続きが限られたりすることがあります。

サイン② 毎月の返済で生活費が足りなくなっている

食費や光熱費を削って返済に充てている、家賃の支払いが不安になっているという状況は、返済が生活を圧迫しているサインです。現在の返済計画が、あなたの収入や生活状況に合っていない可能性があります。

サイン③ 督促の連絡が来ている、または来そうだ

返済が滞り始めると、貸金業者などから電話や書面で督促を受けることがあります。延滞が続くと、信用情報に影響が生じることもあります。

弁護士が受任通知を送ることで、貸金業者等については、受任通知受領後の本人への直接取り立て、督促が貸金業法で制限されます。ただし、すべての債権者に一律ではなく、裁判手続や保証人への請求まで止まるわけではありません。

サイン④ 「もうどうにもならない」と感じている

理屈ではなく、直感的に「限界だ」と感じているなら、それも相談のタイミングの一つです。借金の問題は、精神的な負担が大きくなりやすく、一人で抱え込むほど整理が難しくなることがあります。


では、金額はまったく関係ないのか?

厳密には、「まったく関係ない」とまではいえません。ただ、金額だけで判断するのではなく、あわせて見るべき要素があります。

返済の見通しが立つかどうか

借金の総額だけでなく、月々の返済額と収入のバランスが重要です。たとえば、月収20万円の方が月々10万円を返済に充てている場合、金額の大小にかかわらず継続が難しいことがあります。

借金返済に回せる金額に一律の基準はありません。目安を考える際は、手取り収入から生活に必要な支出を差し引いたうえで、毎月無理なく続けられる額を基準に考えることが大切です。

借入先の数と利率

借入先が多く、高い利率の借入れが重なっている場合は、元本がなかなか減らず、返済負担が大きくなりやすいです。こうしたケースでは、借金の絶対額だけではなく、返済の構造そのものを見直すことが重要です。

財産・資産の状況

住宅ローンのある自宅を持っているか、車などの資産があるかによっても、適切な手続きは変わります。どの方法がよいかは、借金の額だけではなく、収入や資産の状況も含めて考える必要があります。


早めに相談することのメリット

早い段階で相談した方が、状況を整理しやすく、選択肢を検討しやすい傾向があります。

対応が遅れると、次のようなことが起こることがあります。

  • 借金がさらに増える(元本・利息の増加)
  • 返済遅延が続くことで信用情報に影響が生じる
  • 訴訟や差押えなどの法的手続に進む可能性がある
  • 精神的・身体的な負担が大きくなる

早い段階で相談できれば、それだけ状況に応じた対応を検討しやすくなります。

任意整理・個人再生・自己破産のどの手続きが適切かは、事情によって異なります。「自己破産しかない」と思っていた方でも、事情を整理すると別の方法を検討できる場合があります。

各手続きの違いについては「個人再生と自己破産どっちを選ぶべき?弁護士が教える判断基準」もあわせてご参照ください。


よくあるご質問

Q1. 「弁護士に相談するほどの額じゃないかも…」と思っているのですが

金額が少ないから相談できない、ということはありません。月々の返済が苦しい、督促を受けている、返済の見通しが立たないといった状況であれば、借金の総額にかかわらず相談を考える意味があります。

弁護士への相談に「何百万円以上でなければならない」という一律のルールはありません。ご自身で「このままでは難しい」と感じたときは、一度状況を整理してみる価値があります。

Q2. 相談すると、すぐに手続きが始まってしまうのですか?

相談したからといって、すぐに手続きが始まるわけではありません。まずは現在の状況を整理し、どのような選択肢があるかをご説明します。手続きを進めるかどうかは、内容をご理解いただいたうえでお決めいただけます。

Q3. 弁護士に相談すると費用がかかりますか?

費用は事務所によって異なりますが、初回相談を無料または低額で設定している事務所もあります。詳しくは、相談時にご確認ください。当事務所では、債務整理の初回相談は無料で承っています。

Q4. 一人で抱えてきたことを話すのが恥ずかしい

そのようなお気持ちを抱えて来られる方は少なくありません。借金の問題は、誰にも相談できないまま深刻化してしまうことがあります。

実際にお話しいただくことで、状況が整理され、少し見通しが持てたと感じる方もいらっしゃいます。借金のご相談は、決して特別なことではありません。


弁護士として、お伝えしたいこと

もっと早く相談すればよかった。

これまで多くの債務整理案件に携わる中で、このような声をいただくことがあります。

借金の問題は、一人で抱えるほど重くなりやすいものです。「まだ相談するほどではない」と思っているうちに、じわじわと対応の選択肢が狭くなることが少なくありません。

早めに相談することで、現状を整理し、今後の見通しを立てやすくなることがあります。相談することは、解決に向けて状況を整えるための第一歩です。


まずは、状況を整理することから始めましょう

借金の整理に正解はひとつではありません。任意整理・個人再生・自己破産のどれが向いているかは、借金の状況、収入、財産などによって異なります。相談したからといって、すぐに手続きを進めなければならないわけではありません。

まずは一度、現在の状況を整理するところから始めましょう。「これからどうするか」を一緒に考える場にできればと思っています。

お気軽にご相談ください。


あゐ法律事務所 弁護士 竹内欣士たけうちよしじ
大阪弁護士会所属

【免責事項】本記事は、債務整理に関する一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別具体的な法律相談に代わるものではありません。記載内容は執筆時点の法令・実務を前提としており、法改正や個別事情により結論が異なる場合があります。具体的なご判断や手続の選択については、必ず弁護士にご相談ください。

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